いました。そうして、それを、えいやっとかついで、鼻たかだかと、王様の御殿へ出かけて、お目どおりをねがいました。
猫吉は、王様のご前《ぜん》へ出ると、うやうやしくおじぎをして、
「王様、わたくしは、主人カラバ侯爵《こうしゃく》からのいいつけで、きょう狩場《かりば》で取りましたえものの兎を一ぴき、王様へけん上にあがりました。」
カラバ侯爵《こうしゃく》というのは、猫吉がいいかげんに、じぶんの主人につけたなまえですが、王様はそんなことはご存《ぞん》じないものですから、
「それは、それは、ありがとう。ご主人に、どうぞよろしく御礼をいっておくれ。」と、おっしゃいました。
猫吉は、ばんじうまくいったわいと、心の中ではおもいながら、
「はいはい、かしこまりました。」と、申しあげて、ぴょこ、ぴょこ、おじぎをして、かえって来ました。
そののちまた、猫吉は、こんどは、麦畠の中にかくれていて、れいの袋をあけて待っていますと、やまどりが二羽かかりました。それを二羽ともそっくりつかまえて、兎とおなじように、王様の所へもって行きました。
それからふた月三月のあいだというもの、しじゅうカラバ侯爵《こうしゃ
前へ
次へ
全14ページ中4ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ペロー シャルル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング