すもの」とダイアナ夫人はしつこく[#「しつこく」に傍点]言った。「そしてあなたはあの塋穴が発見された、あのつまらない場所へいらっしゃるおつもりで御座いましょう。そうじゃありませんの?」
「サセックスはかなり大きい所ですよ。小さいイギリスの地方の中では」と教授は答えた。「[#「「」は底本では「」」]そしてブラブラ歩くにはいい場所ですよ。あなたがそれに上《あが》るとそれ等の低い丘がどんなに大きく見えるかという事は驚異ですなあ」
嶮悪《けんあく》な意外な沈黙が起った。それから夫人は言った、「ああ、私は甲板にまいりますわ」そして他の人々も彼の女と共に立ち上った。しかし教授はぐずぐずしていた。小さい坊さんも、叮嚀《ていねい》にナフキンをたたんで、テーブルをはなれる最後の人であった。それからこうして彼等二人が居残った時に教授はだしぬけに彼の相手に話しかけた。
「あのさっきちょっとお話した事についてあなたはどう思われますか?」
「さあ」とブラウンは微笑しながら言った。「あんたがわしに訊ねられてから、わしを少しばかりおもしろがらせる事がありますようじゃ。わしは間違とるかもしれん。があの話し仲間はサセ
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