する事を知っとると言われる。それでたぶんあの人達はそれを言う事が出来るかもしれん」
事実、彼の秘かな当惑は新しい災難の報告に一瞬間の散乱を告げた。一行の残りの者が集《あつま》っていた小さい客間に這入った瞬間に、彼等の蒼白い顔の何物かに墳墓についての事件よりもっと新しい何事かに依って感動された事を彼に話した。彼が這入った時でさえレオナルド・スミスはこう言っていた。「一体これはどこで終るんですか?」
「それは決して終らないでしょう、って言うのに」ガラスのような眼で空間を見つめながら、ダイアナ夫人が繰りかえした。「それはね私達が皆終るまで決して終らないでしょうよ。交《かわ》る交《がわ》る呪いが私達にふりかかるでしょう、あの牧師さんが言ったように、たぶんそろそろとね、しかしそれはあの方にふりかかったように私達皆んなにかかる事でしょう」
「一体全体また何事が起りましたかな?」師父ブラウンが訊ねた。
沈黙が起った。それからタアラントが少し洞声《どらごえ》のように轟く声で言った。
「牧師の、ウォルター氏が自殺されました。激動があの人を攪乱させたのだと僕は思いますよ。それについちゃ疑いがないらしく
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