ロンドンのような陰気な所に帰って行く間にここで色々の出来事があまりに早く起ります。その上、彼等はこの事件から私をのぞく事は出来ますまい――私はこの二番目の事件の事を言うのですが。あの死体を見つけたのは私でした。あるいはとにかく着物をね。私は全くうたがわしい行為は、ないじゃありませんか? たぶんあなたは私が彼の着物をつけたがったとお考えになりましょう」
 それからやせた長い鼻をした山師は不意に、彼の両腕を差しのべそれから道化の祈祷の様な具合に彼の黒い手袋をはめた両手を拡げながら、市場の真中に変な身振りをした。つぎの様な事を言いながら、「オオ親愛なわが兄弟よ、吾は御ん身等凡てを甘受するであろう……」と、
「一体あんたは何を言うとられるんじゃ?」師父ブラウンは叫んだ、そして彼のずんぐりした蝙蝠傘で軽く敷石をたたいた。なぜなら彼はいつもより少し気短かであったから。
「ああ、もしあなたが宿屋に居るあなたの遊山の一行に尋ねられたならそれについての凡ての事がおわかりになるでしょう」とボーンは不平気に答えた。「[#「「」は底本では欠落]あのターラントという男は私がただ着物を発見したという理由で私を疑っ
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