。さああなたはそれについて凡てを話してくださらねばなりません」
「私はそれについちゃ、凡てを知りませんよ」とまじめに言った。「ある点において私は何が凡てかさえ知らないのですからな。吾々がこんなにすぐに皆さんと逢うというのはたしかにおかしいと思われます。しかしもし吾々が皆そこを訪問するのなら、責任のある方法で、責任のある指導のもとに、なされねばなりません。吾々は発掘にかかりあってる誰れでも通告せねばなりません。吾々は少なくとも本に吾々の姓名を書かねばなりません」
 夫人の焦慮と古老学者の疑いとの間のこの軋轢には口論のような何物かがあった。しかし後者の牧師の職務上の権利における主張とその地方の調査ははるかにまさっていた。髯を生やした小さい男がまた彼の穴からいやいやに出て来た。そしてだまっていやいやに納得した。幸いにも、牧師が彼自身この場に現われた、彼は灰色の頭髪の人の善さそうに見える紳士であった。好古家同志として教授に親しみのある話しをしてる間、興味よりは、むしろ敵意を以てその同伴の彼の一行を見なすようには思われなかった。
「私はあなた方のうちどなたも迷信深くない事をのぞみます」彼は愉快気
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