流木をわるにしても、斧《おの》がないので、ジャック・ナイフで板をけずって、何本も楔《くさび》をこしらえて、それを流木の干割《ひわり》にうちこんだ。すると、正目のよく通ったアメリカ松は、気もちよくわれた。
 こうして、たきぎができて、蒸溜水は、よいあんばいに、ぽたりぽたり、おわんに落ちるが、半分もたまるのを待っていられない。井戸ほりが待ちかねて、ほんのわずかのうちに、すってしまう。なかなか、ほかの者が飲むことはできない。
 しかし、井戸ほりは、この水で勇気がでて、ほりつづけ、探さ四メートルちかくの井戸をほった。
 ところが、出た水は、牛乳のようにまっ白で、塩からくて、とても飲めない。
「だめだ」
 だめだといっても、たきぎは、流木二本きりだ。蒸溜水をつくるには、たくさんのたきぎがいる。そのうえ、たきぎは、蒸溜水つくりばかりには、使えないのだ。飯もたかなければならず、おかずの煮焼《にや》きもしなければならない。小さな板きれでも、貴重品だ。
 この島に、何年住むかわからないのだ。なんでもかんでも、井戸をほらねばならぬ。
 飲める水が出るまでは、島中、蜂《はち》の巣のようにあなをあけても、井戸
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