冬を迎へようとして
水野仙子
−−−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)今日《けふ》は
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)電車|通《どほ》り
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)二人《ふたり》[#ルビの「ふたり」は底本では「わたし」]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)たび/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−−−
――(櫻田本郷町のHさんへ)――
今日《けふ》はほんとうにお珍《めづら》しいおいでゝ、お歸《かへ》りになつてから「お前《まへ》は今日よつぽどどうかしてゐたね。」といはれましたほど、私《わたし》の調子《てうし》が狂《くる》ひました。ほんとうにあなたはめつたにお出《で》ましにならないので、私どものやうに引越《ひつこ》してばかりゐますと、ついあなたが御存《ごぞん》じない家《いへ》も出來《でき》てまゐります、今日はほんとうに嬉《うれ》しうございました。
けれど、これといつて何《なに》一《ひと》つ取りとめたお話《はなし》もいたしませんでした
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