むれの中へ、ふらふらと這入っていった。
 ――秋もふけた十一月の五日、大村益次郎は、直人の与えた傷がもとで、あえなく死んだ。
 捕われた直人もまた、大西郷たちの心からなる助命運動があったが、皮肉なことにも、山県狂介たちの極刑派に禍《わざわ》いされて、まもなく銃殺台にのぼった。



底本:「小笠原壱岐守」大衆文学館文庫、講談社
   1997(平成9)年2月20日第1刷発行
底本の親本:「佐々木味津三全集10」平凡社
   1934(昭和9)年発行
初出:「中央公論 十月号」
   1932(昭和7)年発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:大野晋
校正:noriko saito
2004年11月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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