ちきばくちのわなにしかけ、若後家のおかみさんをものにしようとしたにちげえねえからね[#「ちげえねえからね」は底本では「ちげねえからね」]。はめ込み女衒《ぜげん》のだまし罪ゃ入牢《じゅろう》と決まってるんだ。ついでにふたり、伝馬町へ涼ましに送りますぜ」
「よろしい。手配しろ」
早いこと、早いこと、名人の命令一下とともに、たちまちもよりの自身番から小者を連れてきて、いなかだんなと三つ輪のお絹のなわじりを渡しておくと、伝あにいがまたなんともかともいいようなく、おつに気どりながら、すそなぞのほこりをパンパンとはたいていったものでした。
「えへへへ。やけに胸がすっとしやがったな。だから、お番所勤めはやめられねえんだ。いえ、なにね、このくれえの芸当なら、あっしだってもときどきぞうさなくかたづけるんですよ。ときに、いっぺえやりますかね」
ひとりで心得ながら出ようとしたのを、
「まて、まて。まだ用があるんだよ」
静かに名人が呼びとめると、不意にいいました。
「おまえ、へそくりを三両持っていたね」
「へえ……?」
「とぼけるな。ゆうべおまんまごしらえをしながら、ひとりごとをいってたじゃねえかよ。へ
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