との悲しさ、かえってお絹さんたちのいんちきにかかりまして、だんだんと借金がかさむうちに――」
「お黙り! お黙り! めったなことをおいいでないよ! かえってお絹さんたちのいんちきにかかったとは、どこを押すとそんな音がお出だね。ありもしないことを泣き訴訟すると承知しないよ」
 きんきんとかん高にがなりながら、三つ輪のお絹が横からのさばり出て折檻《せっかん》しようとしたのを、
「うるせえや。舌抜いて、田楽《でんがく》にでもしておきな」
 きゅッと名人が軽く草香流でその手をねじあげておくと、さわやかにいいました。
「よし、もうあとはわかった。かえってお絹たちのいんちきにかかり、だんだん借金がかさむうちに、金で払うことができねばからだで払えとでもいって、このろくでもねえいなかひひおやじと、そっちの四十ばばあの女衒《ぜげん》とふたりが、きょうまでおめえさんをここへ閉じこめて、毎日毎日責め折檻していたんだろう。どうだ。ずぼしは当たったはずだが、違うか、どうだ」
「あい、お恥ずかしいことながら、そのとおりでござります。心の迷いで、ついふらふらとばくちなぞに手は染めましたなれど、まだわたしは女の操まで
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