しろ髪引かれて姿を見せぬものでもあるまいと思うたからでござります。何をいうにも行き先はわからず、居どころ隠れどころもわからぬ人を呼び返そうというのでござりますゆえ、そんなことでもするよりほかに、この老いぼれにはよいくふうがつきませなんだのでござります」
「いかさまな。見かけによらず、なかなかの軍師じゃ。しかし、それにしても、よそさまの子どもまで盗み出して捨てさせるとはどうしたわけじゃ」
「ごもっともでござります。そのおしかりはまことにごもっともでござりまするが、ひとりよりはふたり、ふたりよりは三人と、数多く捨て子をさせましたならば、それだけうわさも高まりましょうし、高まればしたがって母ごの耳にも早く伝わるじゃろうと存じましたゆえ、悪いこととは知りながら、その姉娘に入れ知恵つけて、似通うた年ごろの子を見つけさせ、こっそり盗み出させたのでござります。それもこれも、みなこの娘たちがふびんと思えばこそのこと、お目こぼし願えますればしあわせにござります」
「なるほどな。ひとのだいじな宝を盗ませて世間を騒がした罪は憎むべきじゃが、かわいそうなこのきょうだいの嘆きを救おうためのこととあらば深くはとが
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