首をはねのけると、まことに涙ぐみたくなるような右門流でした。
「手荒なまねをすりゃこわれちまわあ。――寒いとみえて、くちびるが紫色だな。ほら、これを首にでも巻いていな」
 おのが羽織をぬぎ取りながら、きょうだいふたりのえりもとへふんわりかけてやると、黙々としてややしばしじいっとふたりの面を見守っていましたが、じわり、その目に涙をためながら、やさしくいたわるようにいいました。
「二、三日何も食べないとみえて、だいぶおなかがすいているようじゃな。右門のおじさんの目に止まったからにゃ、どんなにでも力になってしんぜるぞ」
「…………」
「泣くでない、泣くでない。さぞかし、ひもじいだろうな。伝六ッ」
 用もないのに、こういうときにこそ、おらがだんなのすばらしいところをいばらねば、といわぬばかりで、群衆の間をあちらにまごまご、こちらにまごまごと泳ぎまわっていたあいきょう者を鋭く呼び招くと、ずばり命じました。
「そこの横町へはいれば、大福もち屋があるはずだ。大急ぎで百ばかり買ってきな」
「え? 百! 数の、あの、数の百ですかい」
「決まってらあ。数の百だったらどうだというんだ」
「いいえ、その、ちっ
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