とらしゃがった。いまに騒ぎだすだろうと思って、おもしろくもねえ玉ころがしで、あわてだすのを張っていたんだ。右門の眼《がん》に狂いはねえはずだから、そのつづらをあけてみな」
 伝六さらに得意になって、怪しくも大きなそれなるつづらのふたをあけてみると、果然、さるぐつわのままで、ひょろひょろと現われたのは、探索中の老婆です。しかも、名人のいったとおり、ひとりでにいっさいのなぞが老婆の口から解けました。
「ありがとうござります。ありがとうござります。婿は、玉ころがし屋の悪はどうなりました」
「きのどくながら、ご番所で舌をかみ切りましたぜ」
「いい気味でござんす! あんな鬼畜生は、それがあたりまえでござんす! ほんとに、なんて人でなしの野郎でござんしょう! いくら血筋はつながっていなくとも、義理の甥《おい》をくびり殺すとは、ばちあたりでござります」
「じゃ、おばあさん、何もかも見ていたのかい」
「見ていたどころか、わたしの目の前で殺したんでございますよ。それというのが、一万両ばかり先代の残した金がござんすので、せがれ夫婦が死んだあとの遺産に目をつけて、かわいそうに、孫どもをなくして跡を断ってしま
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