なあ。ね! どうしたんです。いったいこりゃ、どうしたんです!」
 まことにそれは忽焉《こつえん》として先の日消えてなくなったむっつり右門で、右門は伝六のうれし泣きに泣いている姿を静かに見おろすと、涼しそうにいいました。
「さ、伝六、あの穴の中からくくされて出てくるやつを、ご城中のかたがたに引き渡してやりな」
「え? 地の下にはまだ人間がいるんですかい」
「例のさるまわしたちさ。七人ばかりを一網にして、今くくしておいたからな、みなさまがたに引き渡してやりな」
 いう下から、前髪立ちの美少年姿をしたさるまわしを先頭に、高手小手の七人が、ぞろぞろと穴の中から送り出されて、しかもそのうしろからは、先ほどの将軍家と伊豆守に見えた両名が、そのなわじりをとって現われ出ましたものでしたから、伝六もおどろきましたが、家中の者はいっせいにあっと声を放ちました。それを冷ややかに見ながめながら、右門はいっそう涼しい声で家臣の者たちにいいました。
「とんだお人騒がせをつかまつり、恐縮いたしました。ごほんものの将軍家と伊豆様は、今ごろご城中でご安泰におくつろぎでござりましょうから、ご安心くださりませい。これなる七
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