後の機会になっていたが、その最後の機会に、朝倉先生のそんな言葉をきいたので、それがいかにも自分を運命的に追いつめるように聞こえたのである。
 かれは、しかし、つぎの瞬間《しゅんかん》には、かえってその言葉を機縁《きえん》に、自分を勇気づけていた。寮の前庭で中食の弁当をすましたかれは、すぐ大河をさそって、落葉松《からまつ》の林をくぐり、湖面のちらちら見える空地《あきち》に腰をおろした。木かげにはまだ雪がところどころ溶《と》け残っていたが、陽《ひ》ざしはしずかであたたかだった。かれはいくぶん恥《は》じらいながら、同時にいくぶんの自負心をもって、道江の問題に対して自分のとった態度を説明しながら、いっさいを告白した。大河は、次郎が話している間、眼をつぶっているきりだった。口もきかず、うなずくことさえしなかった。そして話がおわってからも、次郎を気味わるがらせるほどだまりこくっていたが、やがて眼をひらくと、言った。
「ぼくが同じ立場にいたとしたら、ぼくはおそらく無遠慮《ぶえんりょ》に恋《こい》を打ちあけたでしょう。それがぼくにとっては自然なような気がします。むろん拒絶《きょぜつ》されたら、その時に
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