た。きまった役割のないのは、朝倉先生と次郎だけだったが、この二人には、到着《とうちゃく》した先で自然に何かの役割が生じて来るはずだったのである。
 最初の目的地は、静岡県のH村だった。この村にはKという友愛塾の第一回の修了生がいて、村生活に大きな役割を果たしているということが、すでに早くからたしかめられていた。朝倉先生としても、次郎としても、ぜひ一度はたずねてみたい村だったのである。
 みんなは、H村につくと、まず小学校の一室に招《しょう》ぜられた。そこには村の青年たちばかりでなく、村長以下のあらゆる機関団体の首脳者が集まっていて、歓迎《かんげい》してくれた。儀式《ぎしき》ばった歓迎では決してなかったが、顔ぶれがあまり大げさなので、朝倉先生がK青年にそのことをそっとただしてみると、かれはこたえた。
「この村では、一つの機関や団体が何かいい催《もよお》しをやると、他の機関や団体もいっしょになって喜んでくれ、できるだけの応援《おうえん》をしてくれるんです。今日も私のほうからむりにお願いして集まってもらったわけではありません。」
 いちおうあいさつがすみ、お茶のごちそうになると、陽《ひ》のあ
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