いのは、むろんいいことにちがいない。しかし、真実がわかりさえすれば、わけなく解決の道が発見されそうに思えるのに、それをかくしておいて、一生の不幸を見るということは、何というばかげたことだろう。ぼくはそういう気持ちで、一方では君の怒りを招くという危険をおかしながらも、思いきってこの手紙を書くことにしたのだ。つまり、ぼくは君にはひとまず物を言わせないで、言いかえると、君の本心をいつわる機会を君に与《あた》えないで、ぼくの言いたいことだけを言ってしまう方法として、この手紙を書くことにしたのだ。だから、そのつもりで、ともかくもいちおう最後まで眼《め》をとおしてもらいたい。」
 次郎には、そうした前置きがもどかしくもあり、気味わるくも感じられた。恭一がふれようとする問題が、道江のことにちがいないという気もしたし、また一方では、まさかという気もしたのである。まさかという気がしたのは、自分が道江に対して抱《いだ》いている気持ちを恭一が知っていようはすがない、と思っていたからである。
 しかし、恭一の手続は、そのつぎの行では、残酷《ざんこく》なほどあからさまだった。
「君は道江を愛している。これが、ぼ
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