ろん、先生に返す言葉は見つからなかった。先生は、すると、微笑《びしょう》しながら、
「君は大河の思わくなんかを問題にするまえに、君自身のことを問題にすべきだと思うが、どうだね。」
 それは第二の笞だった。しかも、第一の笞よりはるかにきびしい笞だった。
「わかりました。」
 と、次郎は眼をふせたまま頭をさげ、逃《に》げるように塾長室を出た。
 やがて朝食の時間になった。次郎は箸《はし》をにぎっている間も、ときどき眼をつぶって、何か考えるふうだった。
 食後には、みんな卓についたまま、雑談的に感想を述べあったりする時間が設けられていた。次郎は、その時間が来るのを待ちかねていたように立ちあがった。そして、みんなに今朝の起床の板木のいきさつを話し、最後につけ加えた。
「ぼくは、ながいこと友愛塾の仕事を手伝わせていただいていながら、その精神がまだちっとも身についていなかったために、けさのようなあやまちを犯してしまいました。ほんとうに恥《は》ずかしいことだと思っています。しかし、そのあやまちによって、開塾そうそう、大河君のような、友愛塾精神に徹底した、実践家《じっせんか》の魂《たましい》にふれるこ
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