まして言った。
「諸君にとってたいせつなことは、いかに生くべきかでなくて、いかに死ぬべきかだ。大命のまにまにいかに死ぬべきかを考え、その心の用意ができさえすれば、おのずからいかに生くべきかが決定されるであろう。くりかえして言うが、諸君は、楽しい生活などという、甘《あま》ったるい、自由主義的・個人主義的|享楽主義《きょうらくしゅぎ》に、いつまでもとらわれていてはならない。日本は今や君国のために水火をも辞さない勇猛果敢《ゆうもうかかん》な青年を求めているのだ。この要求にこたえうるような精神を養うことこそ、諸君がこの塾堂に教えをうけに来た唯一《ゆいいつ》の目的でなければならない。自分はあえて全軍の意志を代表して、このことを諸君の前に断言する。終わり!」
塾生たちの中には「終わり」という言葉をきくと同時に、機械人形のように直立したものがあった。その他の塾生たちは、理事長と塾長との式辞が終わったときに、顔をさげただけですました関係からか、さすがに立ちあがるのをためらった。しかし、どの顔も、何か不安そうに左右を見まわした。そして、直立した塾生たちを見ると、それにさそわれて、半ば腰をうかしたものも
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