ん。お言葉を承っただけでも恥ずかしい気がいたします。」
西山教頭は顔を真赤にして曾根少佐を見た。曾根少佐は相変らず天井を向いたまま、眼をぱちぱちさせている。
「次郎は、これまで、一所懸命で筋をとおして来ましたし、これからもとおすだろうと思います。ですから――」
と、俊亮は曾根少佐の横顔を見ながら、
「さきほどあなたは、次郎が心機一転するのをご期待下すったようですが、それは駄目でしょう。私としても、むろんそんなことがないように希望しているのです。今の信念と心境のままで突きすすんでさえもらえば、おそらく次郎は人間としてまちがいのない道を歩くことになるだろうと思います。ただ残念なのは、仰しゃるとおり気が強すぎて、つい長上に対して失礼な口のききかたをすることです。その点は本人にも十分申しきかせましょうし、諸先生方にも重々《じゅうじゅう》おわび申上げなければならないと存じています。」
曾根少佐の眼が、その時天井をはなれて、まともに俊亮の顔にそそがれた。
「さきほどから默って承っていますと、――」
と、少佐はすこしそり身になりながら、
「あなたは、次郎君が筋をとおすというのでご自慢のようで
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