とにしよう。お父さんは、実は、もうさっきから、学校にお見えになっているんだ。」
 次郎は、さすがにはっとしたように顔をあげて、室を出て行く黒田先生のあとを見おくった。
 そのころ、俊亮は校長室で、校長、西山教頭、曾根少佐の三人を相手に対談していたのだった。
 彼は、けさ、次郎がうちを出ると間もなく、学校からの呼出状をうけとって出て来たのであるが、先ず黒田先生から懇談的に、つづいて校長室で校長自身から極《きわ》めて用心ぶかく、次郎の諭旨退学の理由を説明されたのである。校長室には西山教頭も立ち会っていた。俊亮は、黒田先生とはわだかまりなく話が出来たが、校長からの説明の時には一言も口をきかず、ただ微笑しているだけだった。そして説明をきき終っても納得したのか、しないのか、一向要領を得ないような顔をして、かなり永いことだまっていた。校長は、それがよほど心配だったらしく、「これは全職員にはかりまして、一人の異議もなく決定いたしましたことで。」とか、「何分多数の生徒をお預りいたしています関係上、心ならずもこういうことになりました次第で。」とかいろいろそういったことをならべ立てた。
 俊亮はそんな言葉
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