に対しても、ほとんど聞き流すような態度でいたが、おしまいに、ひょいと忘れものでも思い出したかのように言った。
「配属将校の方、曾根少佐と仰しゃいましたかね。――その方にちょっとお目にかからしていただけませんでしょうか。」
校長は鼻をぴくりと上にすべらせて、西山教頭を見た。すると、西山教頭が、
「配属将校は生徒のことでは直接責任がないんです。処分は学校としてやるんですから。」
「むろん、そうだろうと存じます。」
と、俊亮は西山教頭の方に眼をうつして、
「ですから、次郎の処分について私は配属将校の方にとやかく申そうというのではありません。」
「するとどういうご用件で?」
「次郎という人間をどうご覧になっているか、それを直接おききしたいのです。」
「それは、校長からさきほどおつたえしました通りで、あらためておききになる必要はないと存じますが。」
「私は、直接おききしたいと申上げているのです。」
「すると、校長をご信用なさらない、というわけですか。」
「信用するとか、しないとかいう問題ではありません。人の子の親として、一度、直接お会いして承《うけたまわ》っておきたいのです。」
俊亮の態度
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