員全部に及ぶらしい。退学は少くも五六名、停学は十名以上で、その他は謹慎《きんしん》だ、といったような、恐ろしく刺戟的なものもあった。
 しかし、そうした想像や臆測も、一時間目の授業が終ったころには、もう完全に、一つの情報によって打破られ、統一されていた。それには、昨日ほど面倒な手数をかける必要もなかったのである。というのは、その情報というのが、これまで職員会議の秘密をさぐるのに一度も失敗したことのない生徒の口から発表されたものだったからである。
 いったい日本では、中等学校以上の学校で、職員会議の内容が生徒につつぬけにならない場合は極めてまれなのであるが、それは、生徒に会議の秘密でも洩らさなければ安心して教室に出られないほど、頭と心の貧しい先生たちや、学校の中で御殿女中式の勢力争いでもやっていなけれは人生は面白くない、と心得ているような先生たちが、かなり多数だからである。次郎たちの学校も、決してその例外ではなかった。だから、ひとりの物ずきな、そして先生の弱点をよく心得ている生徒がいて、職員会議のすんだ日の夕食後にでも、散歩がてら先生の門をたたくと、彼は、煎餅でもおごってもらいながら、大
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