正直だからね。君のさっきからの答えぶりなんか、全く正直だった。その点で、わしはきょう君と話してよかったと思っている。しかし、単純も単純ぶりで、君はどうかすると怒りっぽくなる。それが君の一つのきずだ。気をつけるがいい。」
 少佐はそこでちょっと言葉をきって、次郎の顔をうかがった。次郎は、怒りっぽいという批評は必ずしも不当な批評でないという気がして、ちょっと眼をふせた。
「しかし、怒りっぽいぐらいは、まあ大したことではない。それよりか、――これは今の場合、特に君にとって大切なことだと思うが、――迷信家にならないように気をつけることだ。とかく、単純な人間は迷信に陥りやすいものだからね。」
 次郎にはまるでわけがわからなかった。少佐自身としては、そんな表現を用いたことが何か哲学者めいた、一世一代の思いつきのように思え、また、それがきっと次郎の急所をつくにちがいないと信じ、内心大得意でいたが、次郎にしてみると、迷信などという言葉は、あまりにも自分とは縁遠い言葉だったのである。
 二人はただ眼を見あっているだけだった。
「わからんかね。」
 少佐がしばらくして言った。
「わかりません。僕が迷信家に
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