した。」
「すぐ賛成されたのか。」
「ええ、すぐ賛成しました。」
「まえもって先生と相談されていたようなことはなかったかね。」
「知りません。」
「これからの集まりには、お父さんはどうされる?」
「どうするか知りません。」
「朝倉先生に代って、みんなを指導されるような話はなかったね。」
「父にはそんなことは出来ないんです。」
少佐はにやりと笑った。次郎は、その笑い顔を見ると、たまらなく腹が立って来た。彼はいきなり立ちあがって、
「僕、もう帰ってもいいんですか。」
少佐の笑顔はすぐ消えた。彼はじっと次郎を下から見あげていたが、また急に作り笑いをして、
「いや、ありがとう。たずねることはもうほかにはない。しかし、君に忠告して置きたいことが一つ二つあるんだ。まあ、かけたまえ。」
次郎はしぶしぶまた腰をおろした。少佐はひげをひねりはがら、眼をぱちぱちさせたあと、少しからだを乗り出して言った。
「君は案外単純な人間だね。」
次郎自身にとって、およそ単純という批評ほど不似合な批評はなかった。彼は、それを滑稽にも感じ、皮肉にも感じて、われ知らずうすら笑いした。
「単純なのはいい。単純な人間は
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