て真の愛国者を牢獄につなぐ、というようなことになりがちなものだ。諸君は今そういう時代を迎えようとしている。いや実はもうそういう時代に一歩も二歩も足をふみこんでいるのだ。私が今度諸君と会う時には、諸君はそういう時代に相当もみぬかれた頃だと思うが、その時諸君の良心が果して健全であるか、或いは大多数の国民と同様、眠らされてしまっているか、それを見るのが、私にとっては一つの興味でもあり、また恐怖でもあるのだ。むろん、諸君の良心が健全であろうとなかろうと、時代は行くところまで行くだろう。それは必至の勢いだ。少数の力をもってはもうどうにもならないほど時代は傾いてしまっている。その傾きを直そうとしてあせればあせるほど、却ってその下敷になるばかりだとさえいえる。だから、諸君の良心も今は時代を直すには大して役には立たない。しかし、時代が極度に傾いてしまって、――或いは転覆してしまってといった方が適当かも知れないが――それ以上傾きようがなくなる時代が、五年か十年かの後にはきっとやって来るにちがいない。その時こそ、どんなに眠らそうとしても眠らなかった自由な良心が、目に見えて役に立つのだ。恐らくそういう最悪の
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