本田、新賀、梅木の三君の殉教《じゅんきょう》的努力が、さながら宝玉の如く光っていることを忘れてはなりません。そして、われわれが特に感銘を深くするのは、さっき申しました本田君のお父さんのお言葉であります。もし本田君のお父さんの、ああした切実なお言葉がなかったとすれば、われわれは、あるいは、この最後の晩餐なしに朝倉先生とお別れしなければならなかったかも知れないのであります。その点で、僕たちは本田君のお父さんに対して、ご馳走に感謝する以上に感謝しなければならないと思います。」
拍手の嵐をあびて大沢は坐った。さすがにいくらか興奮したらしく、顔をあからめてしばらくうつむいていた。それから、ふと気がついたように、あわてて朝倉先生の方に上体をのり出し、
「どうぞ、はじめに先生から、何か……」
朝倉先生はすぐうなずいた。しかし、なかなか立ちあがらなかった。立ちあがる代らに、腕組みをして眼をつぶった。部屋じゅうの眼がしいんとして先生を見つめている。一分たち、二分たち、おおかた三分もたったころ、先生はやっと眼を開いたが、やはり立とうとはしない。先生のまつ毛はいくらかぬれていた。それはみんなの気のせいで
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