で、少し形式ばっているが、司会みたいなことを僕にやらしてもらいます。」
 そうまえ置きして、彼は、まず、きょうの会合をひらくにいたったいきさつを述べ、俊亮の骨折と好意に対して深い感謝の意を表した。それから朝倉先生送別の辞にうつったが、彼の言葉は、じっくりと落ちついていた。激越な調子になりそうだと、しばらく声をのんで、自分を制するといったふうだった。その中で、彼はストライキ問題にもふれたが、その時だけは、声を大にして、次郎や新賀や梅本のとった態度を賞讃した。最後に彼は、さっき座敷できいた朝倉先生と俊亮との対話をひいて、つぎのように結んだ。
「いろいろの事情をのりこえて、人間の真実が終始一貫生かされて来たことは喜びにたえません。白鳥会員は、人間の真実を生かしたという点で、見事な勝利者であります。もし基督教徒が基督を十字架上に仰ぐことによって真に人生の勝利者になったとすれば、われわれもまた朝倉先生を権力という十字架の上に仰ぐことによって、人生の勝利者になったといわなければなりません。そして、この勝利の源が、朝倉先生の崇高なご人格にあることはいうまでもありませんが、また、使徒の中の使徒としての
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