った。
 次郎が二階からおりて来た。今度は大っぴらに階段からおりて来たのだった。彼はその場の光景を解《げ》しかねたように立ったまま俊亮の顔を見た。
「もういいのか。」
 俊亮の方からたずねた。
「ええ、いいんです。」
 次郎は朝倉先生の方を見ながら答えた。
「先生も、もうびっくりはなさらないよ。」
 朝倉先生の微笑をふくんだ眼が、まだつっ立っている次郎を見あげた。
 次郎はきょとんとしている。
「じゃあ、ご飯は二階でみんなといっしょに差上げます。」
 俊亮が先に立って朝倉先生夫妻を二階に案内した。大沢たちもすぐそのあとにつづいた。
 階段をのぼると、一せいに拍手の音がきこえた。それは先生夫妻と俊亮とが席につき終るまで鳴りやまなかった。
 生徒は楕円形《だえんけい》の円陣をつくっていた。一番奥の方に三枚だけ座ぶとんがしいてあったが、それが朝倉先生夫妻と俊亮の席だった。朝倉先生をまん中に、夫人と俊亮とがその左右に坐った。大沢たちは俊亮のつぎに坐ったが、俊三だけは、少ししも手の同級生のところに割りこんだ。
 みんなのまえには、菓子袋が一つずつ置いてあり、ところどころに湯呑をのせた盆が置いてあ
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