頓着なように、
「貴方はよほど大胆ですね。」
「きょうのやり方が無茶だとおっしゃるんですか。」
「いや、そのことについてはもう何も申しません。こうなった以上、私もおとなしてかぶとを脱ぎます。二階の生徒たちにも心よく会いましょう。しかし、次郎君をそんなふうにお育てになるには、親の貴方がよほど大胆だったと私は思いますね。」
「そうでしょうか。」
「あとさきを考える人には、とても出来ないことです。」
朝倉先生の眼には、もう微笑が浮かんでいた。
「しかし、あとさきを考えない点では、先生の方が私よりずっとうわ手ですよ。私には、まだ親もあり子もありますので、免職になるような乱暴なことは、めったにいたしませんからね。」
二人は大きく笑った。
「ほんとうですわ。」
と、朝倉夫人も、笑い声を立てた。
大沢は、それまであぐらをくんだ股に両手をつっぱって、上体を乗り出すようにしていたが、だしぬけにどなるような声で言った。
「きょうはきっと、すばらしい白鳥会が出来ます。」
恭一はうなだれてふかい息をしており、俊三はじっと部屋のすみを見つめていた。ただお芳の顔だけが相変らず笑くぼを見せたまま、無表情だ
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