った。拍手が終ったあと、しばらくは、いやにしんとしていた。
「あいさつや話はあとだ。先ずめしにしよう。どうだい、すぐ運ばないか。」
 俊亮は大沢たちを見て言った。それはみんなにもはっきりきこえるほどの声だった。大沢はすぐ立ち上ろうとした。すると次郎が言った。
「先輩は坐っていて下さい。僕たちで運びます。」
 それからみんなの方に向かって、
「四年と五年の諸君は手伝ってくれたまえ、飯や汁をはこぶんだから。」
 大きい生徒たちがぞろぞろと立ち上った。
「菓子袋はまだやぶいちゃいけないよ。あとで茶話会の時にたべるんだから。」
 次郎はそう言うと、先にたって下におりた。あとに残った小さい生徒たちは、うつむいてくっくっといつまでも笑っていた。
 朝倉先生はその間に部屋の様子を見まわした。文庫はちょうど自分のうしろに据えてあり、きちんと整頓されていた。その右上の位置に「白鳥入芦花」の額がかかっていたが、天井のない部屋の、低い桁《けた》にひもでつるし、下縁を壁の中途に小さな横木をわたしてささえてあったので、低すぎて、あまり見《み》ばえがしなかった。しかし、朝倉先生は、うれしそうに、しばらくそれを見て
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