にした。
「この辺には水泳の禁止区域でもあるんですか。」
「いいえ、べつに。……何かあったんですか。」
「今、橋から一丁ばかりかみ手の方で、大ぜい泳いでいましたが、私の姿を見ると、しめしあわしたように、大いそぎで逃げ出してしまったんです。」
「変ですね。何かほかにわけがあったんでしょう。」
俊亮はむすがゆそうな顔をして答えた。
「あるいは中学生ではなかったか、とも思いますが、それにしてもあんなにあわてて逃げるのは変ですね。……恭一君や次郎君はうちにいますか。」
「ええ、いますとも。大沢君もいます。先生がおいでになるまえに、文庫や何か、すっかり片づけておくからと言って、はりきっていたようです。今にごあいさつに出るでしょう。」
それからお芳に向かって、
「先生がお見えのことほ、わかっているだろうね。」
「さあ、どうですか。」
と、お芳はのんきそうに答えたが、すぐ立ち上って、
「念のため知らしてまいりましょう。」
間もなく恭一があわてたようにあいさつに出た。大沢と次郎がつづいてやって来た。俊三も次郎のうしろに坐ってお辞儀をした。
文庫のことがまず話題になった。朝倉先生はすぐ二階の
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