集会所に一番適したところであるかどうか。かりに適したところであるとしても、それをみんなに諮《はか》らないで、文庫だけを先に運んでしまうのはどういうものだろうか。彼はそんなふうに考えて、急には返事が出来なかったのである。
朝倉先生も、何かちょっと思案していたが、
「君、白鳥会は何とかしてつづけていってくれるだろうね。」
「それはむろんです。」
「しかし、君も、もう間もなく卒業だね。」
「ええ。」
次郎は心細そうに答えた。
「君や、新賀、梅本がいる間は大丈夫だと思うが、四年以下の会員は、まだ何といっても、ほんとうの気持をつかんでいないので、来年あたりからのことを考えると、何だか心もとなくなるね。」
朝倉先生にしてはめずらしく沈んだ調子だった。次郎は返事をしないで、かすかなため息をついた。
「それで私は、誰か私に代って世話をやいてくれる人がほしいと思っているんだ。」
「そうしていただくと、僕たちも心強いんです。しかし、そんな先生がありましょうか。」
「学校の先生にはない。しかし、先生でなくてもいいわけだ。いや、先生でない方が却っていいんだよ。一つの学校に籍《せき》を置いている先生が中心
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