な方でもなさそうだが。」
「商売は下手です。ですから、きっと安く売ってしまったんでしょう。」
二人は声を立てて笑った。
「安くも高くも、とにかくがらくたの始末をつけていただいて助かったよ。それで、あとは、このテーブルと二階の君たちの文庫の始末なんだがね。」
「文庫はまだあのままですか。」
「あれは君たちのものなんだから。」
「でも僕たちの本はごくわずかしかないんです。たいていは先生のご本でしょう。」
「私にはもういらない本ばかりだ。あのまま残して置いて、これまでどおり君たちに読んでもらいたいと思っている。しかし、この家に残して置くわけには行かんし、どこか適当なところに運んでもらわなくちゃならないんだ。どうだい、いっそ君の家に運んでは。」
「僕のうちにですか。」
次郎は眼を見はった。
「実は君のお父さんにも、ちょっとそのことをお話してみたんだが、べつに反対もされなかったようだ。しかし、君の考えをきいてみてからにしたいと言っていられた。……部屋はあるそうじゃないか。」
「二階を弟と二人で勉強部屋にしているんですが、それよりほかにはないんです。」
「その部屋は広いんだろう。」
「ええ、一
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