ような顔は、面をかぶるとその特徴を失い、眼玉だけが鋭く光るのだったが、その鋭い光の中にもどこかに温かさがただよっているのを、次郎はいつも感じていた。それが今日はとくべつはっきりと感じられたのである。
 二人は、その時間ぶっとおしで、相手をかえずに戦った。稽古やめの合図があった時には、さすがに二人ともへとへとにつかれていた。
 二人は、汗みずくになった剣道着をぬぎ、柔道場に通ずる廊下の横に設けてあるシャワーでからだを洗うと、すがすがしい気持になって、いっしょに校門を出た。大山の満月のような顔が、すこし赤味をおびて光っていた。次郎の眼には、それがいかにもゆたかで新鮮だった。
「きょうはいい稽古になったよ。」
 歩きながら次郎が言った。
「しかし、つかれたね。ぶっとおしだもの。」
 大山が笑いながら答えた。
「君に面をとられると、ぼうっとなるほど痛いが、しかしあのぐらい痛いと却って気持がいいね。」
「そうか。」と、大山は間がぬけたように答えたが、
「君の小手も痛いね。それによくはいるよ。きょうは三対一ぐらいだったかも知れん。」
「そんなことはないだろう。」
 次郎は否定しながらも、自信はあっ
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