ってその掲示を見ても、べつにおどろきはしなかった。ただ掲示板のまえに集まって、わざとのようにわいわいさわぐだけだった。
 次郎は掲示を見に行く気にもなれず、校庭の白楊《ポプラ》のかげにただひとり寝ころんで、じっと空をながめた。空には雲ひとひらもなく、白い光がみなぎっていた。風もなかった。彼は孤独のさびしさがしみじみと湧いてくるのを感じた。彼の眼はひとりでにとじた。眼をとじると、しかし、掲示台のまえの生徒たちの軽薄なさわぎがいやに耳につき出したので、彼はまた思いきり大きく眼を見ひらいて空を見つめた。
(きょうは是が非でも朝倉先生をおたずねしてみよう。)
 空を見つめながら、彼はそう思った。
(もう荷造りをはじめていられるかも知れない。)
 そんなことも考えた。すると、がらんとした先生の家の様子が眼にうかんで来て、何か、たえられないような気になった。同時に、思い出されたのは、宝鏡先生の転任の時に、新賀と二人で荷造りの手伝いに行った日のことだった。
(あの時も、いやにさびしい気がした。しかし今のさびしさとは、それはまるで質のちがったさびしさだった。すまないことだが、自分はあの時、宝鏡先生を乞
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