》いてもならない。僕は、この二つを敵に選ぶことによってのみ、僕の現在の危機をきりぬけることが出来ると信ずる。僕のこの考えは間違っているかも知れない。しかし現在のところ僕はそれ以上のことを考えることが出来ないのだ。僕はたしかに僕のベストをつくしている!」
*
こんな日記を書いたあとの次郎は、ほとんどふだんの次郎と変りがなかった。彼はしずかに寝た。俊三のいびきもさして苦にはならなかった。そして翌日からの彼の学校での態度には、どこかに昂然たるところがあるように思われた。
そのうちに、彼は、ある朝、兄の恭一と大沢から連名の絵はがきをうけとった。それには、
「いよいよ夏休みだ。すぐ帰省したいと思ったが、四年まえの筑後川上流探検のことを思い出し、今度は地図をもって、もう一度あの辺を歩きまわってみようということになった。隠棲の剣客のような感じのした白野老人と、快活で親切だった日田町の田添夫人とは、ぜひお訪ねして、あの時のお礼を申述べたいと思っている。君もいっしょだと一層面白いのだが、仕方がない。いずれ帰省したら、くわしく報告する。」
とあった。次郎の胸には、懐旧の情がしみじみと湧
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