界なしには、生命の誇りも喜びもあり得ないからだ。僕はこのことについてもっと深く考えてみなければならない。
 だが、とりあえず僕はどうすればいいのだ。僕の周囲には、日に日に敵がその数を増しつつある。肉親の弟でさえも今はもう僕の敵になっている。しかも不正はすべて彼らの方にあるのだ。それは断じて僕の方にはない。僕は彼らと戦う権利があると信ずる。そして、そうであればあるほど僕は恐ろしい。僕が野獣になる危険がそれだけ多いからだ。それは大きな矛盾だが、その矛盾が現に僕の心の中にあるのだから、仕方がない。
 この場合、僕としてとりうる道はただ一つしかないようだ。それは、僕の怒りを最も重要なところに集中することだ。敵の中の最も大きな敵を選んでそれと戦うことだ。ちょうど昔の武士が雑兵《ぞうひょう》を相手とせず、まっしぐらに敵の大将に近づいて、一騎打の勝負をいどんだように。ではどこに怒りの焦点を定めるのか。誰を最も大きな敵として選ぶのか。それは、むろん、俊三であってはならない。また、むろん、僕を白眼視し冷笑している多くの生徒たちであってもならない。彼らが僕に対してどんなひどい侮辱を加えようとも、それは所詮
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