つもりだ。僕は、実をいうと、子供のころから暴力によって僕の意志を貫いて来た。そして朝倉先生の教えをうけて以来、それを心から恥じていたんだ。しかし最近、――そうだ、つい昨日からのことだが、僕はそれがすべての場合恥ずべきことではないという気がして来たんだ。僕の今の気持では、僕は暴力に訴えて諸君と戦うことに何の矛盾も感じてはいない。僕はいつまでも口先で諸君と争っていることが面倒くさくなって来たんだ。どうだ、もうこのへんで、最後の手段に訴えて朝倉先生の問題にけりをつけようではないか。……念のために言って置くが、僕はひとりだ。これは僕ひとりで決心したことだからね。しかし、僕ひとりだからといって遠慮してもらっては困る。僕の相手は何人あっても構《かま》わないんだ。」
 次郎の見幕《けんまく》に圧倒されて、馬田一派はおたがいに顔を見あうことさえ出来なかった。
「どうだ、馬田!」
 と、次郎は真正面から馬田をにらみつけ、
「先ず君の決心をきこう。」
 馬田は顔をひきつらせた。そしてやっとのこと、
「ふふん。」と、あざけるように天井を見た。
「卑怯者!」
 次郎は一|喝《かつ》して、つかつかと馬田に近づい
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