ら、今度は次郎が、きょう学校での会合の様子を話し出した。彼の調子はかなり興奮していた。俊亮は、しかし、「うん、うん」とかろくあいづちを打つだけだった。西山教頭と曾根少佐とが委員会の席に乗りこんで来たことを話した時には、
「ほう、そうか。やっぱり配属将校がね。」
 と、ちょっと興味をひかれたようなふうだったが、そのあとは、またうん、うんと答えるだけで、次郎にはまるで張合がなかった。
 それでも、話してしまったら何か言ってくれるだろうと、次郎は期待していた。しかし俊亮は、
「先生二人を置き去りにするなんて、お前たちも心臓が強いね。」
 と、笑ったきりだった。
 次郎はとうとうたまりかねたように言った。
「配属将校が生徒をおどかしたり、県庁が父兄をおどかしたりするの、ほって置いてもいいんですか。」
「放っておいていけなければ、どうするんだい。」
 次郎は、さすがに、自分が主唱してストライキをやるんだ、とは言いかねた。
 ざくざくと砂をふむ靴音だけがしばらくつづき、二人はもうそろそろ汗をかきはじめていた。すると、俊亮がだしぬけに言った。
「お前は、きょうは一本立ちが出来なかったようだね。」
 
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