やはり水はいいね。」
次郎も、新賀も、梅本も水にひたったまま、むっつりしていた。水面にならんだ四つの顔がただ眼だけを動かしている。
しばらくして、新賀が何かふと思いついたように梅本に言った。
「血書は、こうなると、やはりおとなしく撤回した方がいいんじゃないかね。どうせもう役には立たたないし、……」
「そうだ。僕も今そんなことを考えていたところだ。本田からは言い出しにくいだろうから、僕たち二人でみんなに相談してみよう。」
すると次郎が、
「僕は不賛成だ。」
と、おこったように言って、俊亮の顔を見た。
俊亮は、しかし、三人の言葉を聞いていなかったかのように、急に水から上半身をあらわし、
「おっ、少し冷えすぎたようだ。次郎はもっとあびて行くかね。父さんは先に帰るよ。」
そう言ってさっさと水を出た。
次郎は、新賀と梅本の顔を見て、ちょっとためらったふうだったが、すぐ、
「僕、さきに失敬するよ。」
新賀も、梅本も、何か意味ありげに、大きくうなずいた。
間もなく俊亮と次郎とはならんで土手をあるいていた。水を出たばかりで汗は出なかったが、顔にあたる空気はいやに熱かった。
歩きなが
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