ろの血が、永いあいだの彼の努力を裏切って無気味に甦《よみがえ》っていた。正木の庭の筑山のかげで、若い地鶏が老レグホンに戦いをいどむのをじっと見つめていた時の、あの熱いとも冷めたいとも知れない血が。
「しかし、本田――」
といつの間にか、からだをにじらせ二人の間に顔をつき出していた梅本が言った。
「それでは君の暴力否定の主張はどうなるんだ。」
「それもこれから考えてみるさ。」
「これから考えてみる?」
「うむ、ゆっくり考えてみるよ。」
「今さら、何を考えるんだ。」
「僕には、ストライキが暴力でない場合もありそうな気がするんだ。少くとも、やむを得ない、いや、必要な暴力というものが、この世の中にはありそうに思える。」
「そりゃあ、あるだろう。警官が泥棒をふん縛《しば》るんだって、そうだからね。しかし、学校を浄化するためにストライキに訴えるのは無茶だよ。」
「それ以外に方法がなくても、無茶かね。」
「ほかに方法がない事があるものか。第一、今の校長はストライキを必要とするほどの相手ではないぜ。」
次郎は苦笑しながら、
「僕は花山校長なんかを相手にしているんではない。あんなの、ほって置いたって
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