ったように、
「君はとうとう馬田に負けたな。」
「馬田に負けた? どうして?」
次郎はやにわにからだを起し、新賀と向きあった。
「君は、馬田が、留任運動をきっかけにストライキをやって、校長やほかの先生を排斥しようと言った時、それを不純だといって攻撃したんじゃないか。」
「むろんさ。それがどうしたんだ。」
「攻撃しておいて、今度は君がその不純なことをやろうというのか。」
「ちがう。留任運動とは関係がないんだ。僕、さっきそう言ったんじゃないか。」
「そんなこと通用せんよ。現に関係があるんだから。」
「ない。僕の気持には、それは全然ないんだ。」
「君の気持にはなくっても、留任運動に失敗したあとですぐストライキをやれば、誰だって関係があると思うよ。」
「そんなことわかってるよ。だから僕はストライキの時期と方法をどうしたらいいか、それを考えているんだ。僕は朝倉先生を見送って学校が一応落ちついてからにしたいと思ってる。もう間もなく夏休みだから、どうせ来学期さ。ゆっくり考えてやるんだ。やる以上は根強くやりたいからね。」
そう言って次郎は微笑した。つめたい微笑だった。その微笑の底には、彼の幼ないこ
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