選び出されたのか、という、ちょっときわどい質問が出たが、これに対しては、校長は案外まごつきもせず、むしろそうした質問を期待して答弁を用意してでもいたかのように、いくぶん調子づいて答えた。
「それは県ご当局とも十分お打合わせいたしました結果、学業の成績も相当で、校内で何かの役割をもっている生徒の父兄の中から、各方面の有力な方々を、というような標準でお願いいたしましたような次第です。むろん皆さんのほかにもそういうお方がまだいられると思いますが、あまり多人数になりましてもどうかと存じましたし、なお急いでお集まり願う必要もありましたので、だいたい数を二十名程度にして、なるべく近くにお住まいの方々だけにご案内を差上げましたようなわけで……」
俊亮もその席につらなった一人だったが、彼はどう考えても自分が社会的に有力な地位にある人間だとは思えなかった。馬田の父も来ていた。彼は県会議員だったので、その点では有力な代表者であったかも知れない。しかし、学業成績のよい生徒の父兄であるとは、恐らく彼自身でも考えていなかったろう。列席した父兄の名簿が謄写版《とうしゃばん》ずりにして渡されていたが、その中には、
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