辞したが、先生は二人をおくって階段をおりると、奥の方に向かって叱るように言った。
「学校の生徒がたずねて来てくれたんじゃよ。お茶も汲まんでどうしたんじゃな。」
「おや、まあ。」
そうこたえて出て来たのは、肺病ではないかと思われるほど、顔色の悪い、やせた女だったが、わざわざ土間におりて二人を見おくった。二人は門口を出ると、むせるように蚊やりの煙の流れている町を、沈默がちに歩いた。
*
さて翌々日の夕方、二人はもう一度宝鏡先生を訪ねて行ったが、驚いたことには、家はもう空家になっており、閉された戸に一枚の半紙が貼りつけてあって、それには郵便物の転送先の学校名が記されていたのだった。
「どうしたんだろう。」
二人は、その半紙を見つめて、しばらく立ちすくんだあと、すぐその足で朝倉先生をたずね、事情をきいてみた。しかし、朝倉先生も何も知らなかったらしく、二人の話で、しきりに首をかしげていたが、
「じゃあ、もう多分たたれたんだろう。学校の方には私から知らしておく。しかし、あさっては、君ら二人だけでもいいから、念のため示された時刻に駅に出てみるがいいね。」
翌々日、二人は、言われ
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