のうちに生徒がたずねて来てくれたのは、君らがはじめてじゃ。君らがはじめての終りじゃな。」
 と、わざとらしく笑ったが、その声はうつろで淋しかった。
 次郎も新賀も、返事のしようがなくて、默って首をたれていると、先生は一人でいろんなことを喋り出した。
「わしゃ、頭がわるい。じゃが、今日校長先生が言われたように、真心はあるんじゃ。」とか、「今度行く学校は女学校じゃが、そこでは数学だけでなく、受持の組の修身もやることになっているんじゃ。」とか、くすぐったいような言葉があとからあとから出て来たが、かんじんの次郎との一件には決してふれようとしなかった。二人はあくまで神妙な顔をして聞いていた。しかし、いつまでたってもきりがない。で新賀がついにたずねた。
「先生、お手伝いはいつがいいんでしょう。」
「そうじゃな。」
 と、先生はちょっとまごついたような顔をして、答をしぶった。そして大きな指を折って日数を読んでいたが、
「試験の答案がまだ残っているんじゃ。受持の組の通信表はほかの先生がやって下さることになっているんじゃが、それでも、荷物の片づけは明後日までは出来んじゃろ。」
 二人は間もなく先生の家を
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