せん。だって、次郎ちゃんより僕の方が年上なんだもの。」
「まあ、まあ、急にお兄さんにおなりだこと。」
と、お祖母さんは、冗談《じょうだん》のように言って笑ったが、すぐまた真顔《まがお》になって、
「そりゃあね、恭一、年ではお前の方が兄さんにちがいないともさ。だけど、何もかも兄さんだと思ったら大間違いだよ。次郎には、そりゃあお前たちの思いもよらない悪智恵があるんだからね。いつかも、ほら、お前、うまいこと万年筆を捲《ま》きあげられたんだろう。うっかりあれの手にのって、二人っきりで二階に寝たりしていると、ろくなことはないよ。」
「お祖母さん――」
と、恭一はもう泣きそうな顔になって、
「万年筆は次郎ちゃんにねだられたんじゃないんです。僕、いらないからやったんです。二階に寝るのだって、僕の方から言い出したんです。次郎ちゃんはかわいそうです。ずるくなんかないんです。お祖母さんは、どうして次郎ちゃんがそんなにきらいですか。」
恭一も、もう間もなく中学の三年だった。彼は、精いっぱいにその正義感を唇にほとばしらせながら、青ざめた頬を涙でぬらしていた。
これには、さすがに、お祖母さんもすっかりあ
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