ことにした。
 絵はがきはまだ六枚あまっていた。彼は、それを全部、彼がこれまで比較的親しくしていながら、いっしょに中学校に受験出来なかった友達にあてて出すことにした。それには、「はなれていても、いつまでも仲よくしたい。そしてお互いに正しい勇気のある人間になろう」といったような意味のことを書いた。書き終ると彼はすぐ郵便局に行った。
 切手代を払うために蟇口をあけた瞬間、彼はまた、さっきの父の言葉を思いおこした。
「なくなったら、母さんにそう言えばいい。」
 彼は何度もそれを心の中でくりかえしながら、ふたたび自分の机のまえに帰ってきた。
 恭一は、その日、何か友達に約束があるからと言って、次郎の成績がわかったあと、すぐどこかに出かけていったが、夕方帰って来るとお祖母さんに向かって、しきりに次郎の入学祝いにご馳走をするように主張した。お祖母さんはそれに対して、
「今日でなくてもいいじゃないかね、もうおそいのだから。あすはお祖母さんが赤飯でも炊く心組でいたんだよ。」
 と、いくぶん恭一をなだめるような調子だった。
 すると恭一は今度はお芳の方を向いて、いかにも詰問するように言った。
「母さんも
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