はいっしょの道だったが、しばらくはどちらからも口をきかなかった。
 村はずれに来たころ、恭一が言った。
「大巻の家って、いい家だね。」
「うん。」
「あんな家だと、誰でも正直になれるね。」
 次郎は、ちらりと恭一の顔を見ただけで、返事をしなかった。
「次郎ちゃんは、そんな気がしない?」
「するよ。」
「僕たち、今日来たの、よかったね。」
「うん。」
「僕、こないだお祖母さんと来たんだけど、その時はつまんなかったよ。」
「お祖母さんと? 一度っきりかい。」
「そうさ、一度っきりだよ。」
「母さんとは来なかったんかい。」
「ううん。お祖母さんと来たっきりさ。お祖母さんは、僕が母さんと大巻に行くの、嫌いなんだよ。」
「俊ちゃんは?」
「俊ちゃんはもう母さんと何べんも来たんだろう。」
 次郎は默りこんだ。恭一はそれに気づくと、あわてたように話頭を転じた。
「大巻のお祖父さんの絵の話は面白かったね。」
「うん。」
「あんな話、非常に僕たちのためになると思うよ。」
「うん。」
 次郎には、正直のところ、話の意味がはっきりとわかっていなかった。しかし、恭一にそう言われると、何か自分に忠告でもされてい
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