を、言ったり、したりするようになったんだよ。」
「母さんは、そんなにいけない人かなあ。」
「母さんがいけないんじゃないかも知れんさ。だけど、母さんが来るまでは、みんなもっと正直だったんじゃないか。このごろ父さんだって、嘘をつくことが多いぜ。お祖母さんなんか、しょっちゅう嘘ばかりだよ。」
 恭一は食ってかかるような調子だった。
「恭ちゃんも嘘をつく?」
「僕は嘘なんかつくもんか。僕、何でも思ったとおりに言ってやるんだ。だから、みんな困るんさ。困ったって、平気だよ。」
 次郎には家の中の様子が何もかも想像がつくような気がした。しかし、今の場合、彼にとって大事なのは、そんなことよりも、俊三とお芳との間が実際はどうだかを、はっきり知ることであった。
「じゃあ、俊ちゃんは?」
「俊ちゃん?」
 と、恭一はちょっと考えてから、
「俊ちゃんは僕にはよくわかんないや。母さんにわがまま言うのは、わざとじゃないだろうと思うけれど。」
「じゃあ、母さんが俊ちゃんを可愛がるのも、嘘じゃないんだろう。」
 恭一はまた考えた。そして、
「それも、僕には、はっきりわかんないさ。」
 次郎は物足りなさそうな顔をして、
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